いいの。


どうせ暴走族になんて興味ないから。


自分が傷つかないように、そう正当化する。


現実逃避したところで、現実は変わらない。


一時の憧れや快楽なんて、なんの意味がある?



……そう思うあたしは、結局冷めた人間なのかもしれない。


あたしはただ、双葉園を出る日のことだけを考えて毎日過ごしているから。



本当は、誰かに助けてって言いたかった。


だけど問題が起きたと分かれば、確実にお姉ちゃんへ連絡が行く。


それだけは阻止しなきゃいけない。


お姉ちゃんの幸せは壊せない。



逆らうことも助けを求めることも出来ず、あたしは耐えるしかないのだ。




自分で選んだ道。


――あと、1年半。