「それは凌牙が知ってる。十分だ」


「テルさん!!」


「和希もいい加減着替えろ。置いてくぞ」


言い切ったテルさんは、ソファに引っ掛けてあった白い特攻服を和希に向かって投げた。


「………」


大人しくそれに袖を通す和希。


でも、かなり不服そうに。




「和希って呼ぶね。あたしのことは好きに呼んでいいから」


気に入られなくても、一緒に住むことには変えられないんだし。


ここはあたしが大人になろう。


「………」


多分シカトしてるんだろうけど、こういうシチュエーションは逆に得意だったりする。


昔は、小さい子の面倒を見るのが得意だったから。


「あたしの得体教えてあげる」


「……」