そう…。


あたし、凌牙にキスされたんだ。



"俺が信じさせてやる"



甘い囁きが蘇る。


凌牙の唇があたしに触れた瞬間、体中に電流が走ったように感じたのを思い出した。


何かの殻から解き放たれたように熱い熱が走って。


そこから先の記憶がない。



「そりゃ、凌牙にキスされたら失神するよな。俺だってキス見てるだけで失神しそうになったぜ。つか、凌牙のキスシーンなんてプレミアもんだろ」


「……ッ…」


キスキスって、お願いだからその単語を連発しないでよ、旬。


悪気はないんだろうけど、どうも悪ノリしている気がしてたまらない。