「仕事?僕はロボットの研究をしてるんだ」

「凄い‼」

「今度、大学院に進むことにした」

「凄い凄い‼」

目を輝かせて僕の話を聞いてくれる。


僕の、くだらないロボットの話を。

彼女は無垢なキャンパスだった。


真っ白だけれど、どんな色の表情も、ためらわずに見せる、素直な心を持っている。

これだけ綺麗なのに。

と、付け加えてみる。


何時間、喋っていただろう。

そろそろ竜舌蘭も飽きて花を咲かすんじゃないか?なんて冗談で笑ったら。


「また私を口説いてくれる?」

「もしかして、一年後?」


「そう、一年後」

彼女の目は、笑っていない。


この急転直下のシンクロが、一体どこに向かうのか、恋愛ベタの僕にどうする技量もなくて少し落ち着かなかったのは事実。

一年後。


そうか。そこに着地すればいいのか。


「わかった。じゃ、一年後」

「きっとよ?」

「うん」


しっかり返事をした。

メモも予約も必要ない。


僕の胸にしっかり刻まれた一年後。

彼女にまた会えるその時まで、僕はがむしゃらに研究にのめり込んだ。



彼女は間違いなく、現れる。

あの。


竜舌蘭のしたに。