「あっ、そうだ。ねぇ颯太。
結局、中島さんにはどうしてお弁当を作ってあげてたの?」
昨日からずっと自分の中で引っかかっていた疑問を、颯太に聞いてみる。
「あー、あれはだな…」
颯太が少し答えづらそうに口ごもる。
「実は俺、数日前に中島から『倉橋くんが好き』って告白されたんだよ」
「えっ、そうなの!?」
あたしは目を見開く。
「心配しなくても、もちろんちゃんと断ったよ。『俺には好きな奴がいるから』って。そしたら中島が…
『私、1回だけでいいから倉橋くんの作ったお弁当が食べたい。だから、隣のクラスの杉崎さんみたいに、私にも一度だけお弁当を作ってきてくれないかな?
そしたら私…倉橋くんのこと、きっぱり諦めるから』
って言われて、あの日だけ仕方なく作ったんだ」
「そう…だったんだ。はぁ…良かった」
理由を聞いて、あたしは安堵のため息をつく。



