「あっ、颯太?あたし!愛莉!

深沢くんから颯太が早退したって聞いて、様子見に来たんだけど。中に入ってもいい?」

「ああ、どうぞ」


あたしが家の中にお邪魔すると、颯太は制服姿のまま、1人でリビングのソファーに寝転んでぐったりとしていた。


「ちょっ、颯太。制服のまま寝てたの!?汗びっしょりじゃん。服着替えたほうがいいよ」

「んー、だるいから後で着替える」


颯太、あんなに汗かいちゃって…。
しんどそうだなぁ。



「颯太、大丈夫!?てか、こんなときにあれなんだけど、昨日はごめんね?
あたし、颯太の話をちっとも聞こうとせずに…。ずっと、謝りたかったんだ。
ほんと、ごめん」

あたしは颯太に頭を下げる。


「………」


少しの間、耐え難い沈黙が続き…


ようやく颯太が口を開いた。