──ピーンポーン…


これで、何回目だろう。

学校帰りの制服姿のまま、自分の家には帰らずに真っ直ぐお隣の颯太の家までやって来たのはいいんだけど…

さっきから颯太の家のインターホンを何度鳴らしても、全く応答がない。


颯太の家も、あたしのところと同じで親が共働きだから、家には今颯太1人だけのはず。

もしかして、寝ちゃってて気がついていないのかも。


勝手に家の中に入ってもいいかな?
いや、さすがにそれはまずいか。

もう一度だけインターホンを押して、颯太が出なかったら、また出直そう。


そう決めて、あたしはもう一度インターホンを鳴らした。

すると、しばらくして…


「…はい?」


インターホンから颯太の少し掠れた声が聞こえた。