だからここ最近、颯太が学校で女の子と話しているのを見かけるとやけに気になったり、颯太が中島さんにお弁当を作ってあげていたことを知ったときも、あんなにショックだったんだ。


今、自分の想いを自覚して、複雑に絡み合っていた糸がやっとの思いでほどけたみたいに、スッキリとした感じだ。


でも、今頃になって颯太のことが好きだと気づくなんて…。


昨日のことでもしかしたら、あたしは颯太に嫌われてしまったかもしれないのに。


まだ、間に合うかな?
颯太、怒っていたらどうしよう…

ううん。こんなに弱気で、どうするあたし!


颯太にどう思われていたっていい。


颯太に好きだと言ってしまったら、なんとなくぎくしゃくしちゃって、もう今まで通りの“ただの幼なじみ”という関係には、戻れなくなるかもしれない。

それでも…


あたしは颯太に今すぐ、この気づいてしまった自分の想いを伝えたい。


君に、好きだと伝えたい。


だから放課後、あたしは自分から颯太に会いに行くよ───。