「颯太!」


後ろを振り返ると思った通り、隣のクラスで、住んでる家も隣のあたしの幼なじみ、倉橋 颯太(くらはし そうた)が立っていた。


「ちょっと、颯太。あんた何しに来たのよ?」


「何しに来たのよ、じゃねーよ。お前、高校入ってからどうせ毎日、朝も昼もパンなんだろ?」


「そうだけど?」


あたしの両親は共働きで、2人とも仕事がある平日は、いつも朝出かけるのが早い。


だから、朝と昼のご飯は自分で用意するんだけど…


料理が苦手で面倒くさがり屋なあたしは、いつも朝食も昼食も、大好きなパンだけで済ませてしまうことがほとんど。