「ただいまー」

菜緒と別れてから、しばらく歩いて自宅に着くと、あたしは自分で鍵を開けて家の中に入る。


「そうだ!颯太にお弁当箱返さないといけないんだった。そのまま返すよりもやっぱ、洗ってから返したほうがいいよね?」



あたしが流しでお弁当箱を洗い終えた頃。


〜♪〜♪〜♪


ちょうどタイミング良く、キッチンのテーブルの上に置いてあったあたしのスマホが鳴った。


…誰だろう?

スマホを見てみると、お母さんからメールが届いていた。


メールを開いてみると…


【愛莉、お母さん今日残業で帰りが少し遅くなるから悪いんだけど、代わりに夕飯の買い物に行っといてくれる?】

という内容に加えて、何を買ってきて欲しいかが書かれていた。


えぇーっ、お母さん今日遅くなるの?
ていうか、なんであたしが!?
先に学校の宿題やってしまおうと思ってたのに、面倒だなー。

でも、お母さんもお仕事頑張ってくれてるんだし、仕方ないよね。


あたしは、半袖のTシャツに短パンというラフな格好に着替えると、財布とスマホを鞄に入れて家を出た。