バンッ!!
手紙を手にしたまま、懐かしい思い出に浸っていると、ドアが叩きつけるように開けられた。
な、なに!?
驚いて、ドアの方を見ると、カナがいた。
カナ?
「ハル!」
カナのやけに険しい、怒ったような声。
カナはいつも、そうっと入ってくる。
わたしを驚ろかせないように。
もちろん、ノックだってしてくれる。
なのに、今日のカナは、ノックもなければ、怒鳴るような大きな声で……。
いったい何事かと、わたしはカナを見た。
カナはもう一度、険しい声で私を呼んだ。
「ハル!」
ズカズカと部屋の中に入ってくるカナ。
「なあに?」
読んでいた手紙をテーブルに置きながら、わたしは、カナを見上げた。



