退院した日には、カナに一ヶ谷くんから聞いた話を伝えた。

夜には、お兄ちゃんにも電話をした。



2人ともが、揃って、「信用できない」って言ったけど、

それでも、「だけどね、」と続けたわたしの言葉を2人とも、最後にはやっぱり受け入れてくれて、いわゆる報復はしないって約束をしてくれた。



「でも、本当は少しくらい懲らしめてあげるのも、本人のためだよ」



と、お兄ちゃんは諭すように言った。

好き放題やって、無罪放免というのが本人のためにならないというのも、きっと本当。



もしかしたら、お兄ちゃんは何かはするのかも知れない。



これ以上は止められない。

わたしが「ほんの少しだけよ?」と言うと、お兄ちゃんは笑った。