そんなにも後ろめたい?
そう思っていると、一ヶ谷くんはようやく重い口を開いた。
「……つきまとって、困らせたこと、に」
「……え?」
謝られるなら、あの女の子のことしかないと思い込んでいた。
思いがけない答えに、続く言葉が出てこなかった。
「……え、っと。ここ、座って?」
長くなりそうな予感がして、さっきまでカナが座っていたイスを示した。
一ヶ谷くんは、ためらいながらも、わたしがもう一度笑いかけると、ようやく座ってくれた。
「あ。何か飲む? 冷蔵庫にいろいろ入ってるよ」
わたしは飲まないけど、カナがジュースを入れてたり、ママが栄養ドリンクを置いていったりで、冷蔵庫の中身はなかなかバラエティに富んでいるはずだ。