「なるほど、そりゃ災難だったな」



一通り、俺の報告を聞き終えた親父は面白そうに、そう言った。



「オレじゃなくて、ハルがね」

「ああ。陽菜ちゃんには本当に申し訳ないことをしたな。……うちのバカ息子のせいで」

「……悪いの、オレかよ」



ハルには何の落ち度もない。

だけど、じゃあ、オレが悪かったのかって言ったら、それも違うだろ?

オレはただ親切心から、人助けをしただけだったのに。



親父も当然承知していて、オレの苦虫を噛み潰したような顔を見て、面白そうに笑った。

笑いごとじゃないだろって言おうかと思っていると、親父はふいに真顔になってオレを見た。



「いや、笑ってる場合じゃないな。……一歩間違えるとストーカーだ」

「あ、そう。正にそんな感じ」