心の中に、ぽっかりと空洞ができたような、どうにも空虚な気持ちのままに、目が覚めた。
夢の中でポロポロと流れ落ちていた涙は、目が覚めても、やっぱりあふれ出していた。
うっすらと光る非常灯。
ピッピッと音を立てる心電図モニター。
かすかに見える点滴の袋。
……病院。
カーテンが閉められている。
夜だった。
自分がいる場所は分かるのに、どうしてここにいるのかが、すぐには思い出せなかった。
頭にもやがかかったようで、まともに思考が回らなかった。
熱い。
のどを通る空気が熱くて仕方ない……。
息苦しい。
……お水。
お水、飲みたい。
ああ、そうか。熱があるんだ。
ナースコールを押すのもおっくうで、そのまま、また目を閉じた。



