それから、瑞希ちゃんはわたしの目を見て言った。
こんなこと頼んで、ごめんね。
大好きだったよ、陽菜ちゃん。
「瑞希ちゃん!」
まるで最期の言葉。
お別れの言葉だった。
だけど、瑞希ちゃんの命の灯は、その時には消えなかった。
瑞希ちゃんは、わたしに微笑むと、眠るように目をつむった。
瑞希ちゃんの意識が途絶えた後、わたしは病室から出された。
わたしと話した後は、一度も目覚めないまま、
瑞希ちゃんは、夕刻、ようやく駆けつけた両親と、裕也くんに見取られて、
……天国に旅立った。
高校2年生……まだ、17歳だった。



