ごめんね。

パパも、ママも、裕也くんも、間に合わないみたいで。

急だったから、手紙も残せなかった。



瑞希ちゃんは、ささやくように、途切れ途切れに、そんなことを話した。



考えたくもなかったけど、

瑞希ちゃんの命の灯が消えかかっているのが、肌で感じられた。



まるで手のひらにすくった砂が、サラサラと指の間からこぼれるように、

瑞希ちゃんの命が急激に流れ出しているのを感じた。



瑞希ちゃんは、とても息苦しそうで、

しゃべらない方が良いよ……って、普通ならぜったいに言うって状態なのに、

お医者様も看護師さんも、誰一人として、瑞希ちゃんがしゃべるのを止めなかった。