「じゃ、さ、オレの家が金持ちだから?」
「そ、そんな!」
「じゃ、オレの身長? それとも顔? それとも金持ち学校に通ってるってとこ?」
身長は180を越えているし、身体はしっかり鍛えてある。
顔の造作なんて気にしたこともないけど、標準レベルは超えているらしい。
通ってるのは、県下有数の名門私立。
兄貴に聞いた話から考えると、他校に入り込んでまでオレに近づく理由はそんなところだろう。
「……な、何を」
「だって、そういうの見て、目を輝かせてたんだろ?」
「そんなこと!!」
「……見てりゃ、分かるんだよ」
見たのはオレじゃないけどね。
一部始終を離れたところから眺めていた志穂が、「サイテー」とつぶやいた。



