篠塚は、一段と厳しい表情でハルをにらみつけた。
ってか、そんな顔見せたら、仮に百年の恋だったとしても冷めるだろ?
「ねえ、篠塚さん」
オレは仕方なく、篠塚に話しかけた。
「あんた、一体、オレのどこが好きなの?」
「え? だって、命がけで助けてもらったしぃ」
オレを見ると、急にこびるような笑顔を見せる篠塚。
逆に幻滅。
こんなヤツを助けるために、オレ、ハルをあんなに悲しませたの?
「あのさ、命なんてかけてないし、大体、オレの目測では、オレはちゃんと暴走車から逃げられる予定だったの。
ただ、予想外に車が変な風にハンドルを切って、避けきれなかっただけ」
「で、でも! 助けてもらったのは本当だし」



