「陽菜!! ……って、あれ?」
ハルを心配して飛んできた志穂が、オレたち4人を見て、間が抜けた声を上げた。
保健室には、電話で話せないくらい具合の悪いハルがいるはずで、
オレはその介抱をしているはずだった。
けど、ハルは顔色こそ優れないけどベッドに起き上がっていて、
オレは怖い顔をして、その場にいる男女2人をにらみつけている。
「広瀬、これ、どうなってんの?」
斎藤が不思議そうに、一ヶ谷と篠塚を交互に見た。
次の瞬間、篠塚が憎々しげな顔でハルをにらみつけ、一言、吐き捨てるように、
「最低」
と言ったかと思うと、くるりとオレに背を向け、駆けだした。
「斎藤くん! その子、捕まえて!!」
叫んだのは、ハルだった。



