授業中の誰もいない廊下を爆走する。 ハル!! 随分と後ろに、後に続く足音が聞こえたけど、待つ気などないし、そいつらも、待ってもらおうなんて、思ってないだろう。 去年も走った。 校舎裏で倒れていたハル。 意識がなくて、苦しそうに、辛うじて息をしていたハル。 その時は、オレに電話をかけてはくれなかったハル。 今日は、ちゃんとオレを呼んでくれた。 ハル!! 今、行くからな!! ようやく見えてきた保健室。 オレは、ノックもなしに、保健室のドアを勢いよく、なぎ払うように横に引いた。