13年目のやさしい願い



授業中の誰もいない廊下を爆走する。



ハル!!



随分と後ろに、後に続く足音が聞こえたけど、待つ気などないし、そいつらも、待ってもらおうなんて、思ってないだろう。



去年も走った。

校舎裏で倒れていたハル。

意識がなくて、苦しそうに、辛うじて息をしていたハル。



その時は、オレに電話をかけてはくれなかったハル。

今日は、ちゃんとオレを呼んでくれた。



ハル!! 今、行くからな!!



ようやく見えてきた保健室。

オレは、ノックもなしに、保健室のドアを勢いよく、なぎ払うように横に引いた。