授業が終わると、カナが飛んできた。
「ハル、大丈夫?」
「何が?」
笑顔で応えたのに、カナは心配そうに言った。
「さっき、当てられた時、授業、聞いてなかったんだろ? ハル……疲れた顔してるぞ」
つきあいの長いカナには、ぜんぶお見通しだ。
困った顔をしていると、カナはそっと頬に触れた。
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「保健室行くか? それか、後一時間だし、早退する?」
わたしの「大丈夫」は、カナの耳には届いていない。
「……後、一時間だから、授業受けるよ?」
「ホントに大丈夫?」
こくりと頷いて、机に上半身を伏せた。
……疲れた。
そっか、顔にも出ちゃってるんだ。
「ハル!?」
「……次の授業まで、休憩」
「休憩って!? 保健室で寝よう?」
「イヤ」
カナが困ったように、わたしの背に手を置いた。
「ハル」
だって、もう動きたくない。
授業だって、休んでばっかりもイヤなんだよ……。
……疲れたな。
身体がって言うより、心が疲れた。
早く家のベッドで休みたいな。



