それから何度か、田尻さんと話をした。
決まって、体育の時間の見学の時。
カナは未だに、田尻さんがわたしに近寄ってくると、警戒するし、
しーちゃんもムリヤリ、話に割って入る。
去年、散々心配をかけたから、2人のそんな反応も仕方ないと思っている。
だから、話ができるのは、体育の時間くらいだった。
田尻さんは、いつも、他の誰も聞いてこないようなことを、わたしに聞いてきた。
今、余命何年と言われている訳じゃないけど、過去、何歳までしか生きられない……と言われていたことを話したことがある。
そうしたら、
「死ぬかもしれないって……怖くないの?」
って、真顔で聞かれた。



