「すごいね、裕也さん」 「ん? なにが?」 「あの頃、やるって言ってたこと全部やってる」 「ああ。医者になるとか?」 「この病院で、心臓を診る医者やるってのも言ってたよね」 「……そんなこと話したっけ?」 「うん。オレ、すごく考えたから、よく覚えてる」 「何を?」 「裕也さんが……」 裕也さんが、瑞希ちゃんのために医者になるって言ったこと。