昼ご飯が来たのを機に、志穂と先輩は帰っていった。
配膳してくれた人が、トレーを受け取るオレが病院服なのに、ベッドには私服の女の子が眠っているのを不思議そうに見ていった。
「ハル。……ハル。起きて。ご飯食べて、薬飲もう」
ハルの身体を揺さぶって起こそうとしたけど、ハルは起きなかった。
ちょうど良いから、病院食を食べさせて、薬を飲ませて……と思っていたけど、きっと、こんな調子じゃろくにご飯は食べられない。
売店でゼリーでも買ってきておくか。
何となく売店と呼んでるけど、いわゆるコンビニが入っていて、品揃えは充実している。
「ハル、ちょっと売店行ってくるね」
聞こえていないと分かっていたけど、ハルにそっと声をかけ、オレは病室を後にした。



