青葉高校では観賞会用の映画を決める際、感動する家族愛や友情をテーマとした、俗に言う『お涙頂戴映画』を選ぶのが慣例となっていた。 ―― 気が重いな……。 昨年の観賞会では兄弟の絆を描いた感動映画が上映されたのだが、周囲の女子達が一様に涙を流す中、自分だけが涙をこぼせずなんともいたたまれない気持ちになったのを覚えている。 「そんなに嫌なら休んじゃえばいいのに」 などとお気楽な明里は簡単に言うのだが、どうにも根がド真面目な私はズル休みというものができなかった。