それにしても、とベンチの背もたれに寄りかかりながらしんみり思う。
―― リカちゃんと潤君て、なんてお似合いなんだろう。
2人と距離を置いてみると、切ないくらいにそれがよくわかる。
事実、すれ違った人達も皆2人の姿を「素敵なカップルね」などと言い振り返るのだから間違いない。
やはりどこからどう見ても、美男美女のお似合いのカップルだった。
もしかして私はお邪魔虫なのかな……。
2人を見ていると、どうしても疑心暗鬼に陥りそうになる。
考えてみれば潤君の本当の気持ちもリカちゃんの本当の気持ちもわからないのだから、疑心暗鬼などではなく本当にそうなのかもしれない。
もしそうなら、喜んで応援してあげなくちゃいけないんだよね……。
頭ではわかるのだが、それとは裏腹にどうしても笑顔を作れそうにない自分がいた。
自分ではどうにもならないこの感情が姿を現すたび、なぜだか胸の奥がギュッと締め付けられるのだった。

