† of Thousand~千の定義

「支柱に主柱を加えれば、完成するのは魔法陣だ」

と繰り返されるキマイラの答えに、

「正解。――強制送還の、魔法陣だ」

「なに……?」

私は補足を入れてやった。

同時に、血まみれになっている両手を路面へとつける。

「我、草薙仁を『代償』と定義。ここに、『開門』を命ず」

私から流れ出ている血液がコードのような線を伸ばし、魔法陣のラインと接続。

その公式が、現象の召喚から、物質の転送へと書き換わる。

この私を、魔法陣の主柱として。

「女っ、貴様、血迷うたか!」

光の濃度を増す魔法陣を見やり、キマイラが怒声を発する。

物質転送の魔法陣は、対象の質量や存在の器が強大であればあるほど、難しくなる。

対象の器、実行者の技能との引き算になる。

私には、キマイラを魔界へ強制送還するだけの力など、あるわけがない。

たとえ、この身を丸々捧げようと――どこか、異様な空間へしか繋げることはできない。

しかし、

「血迷ってないヤツが、魔族とたたかいなんてできるかっての」

それこそが、狙い。