† of Thousand~千の定義

「っまだまだ!」

直径百メートルの円内、立ち並ぶ街灯はひとつやふたつではない。数十だ。

そのすべてを『触手』の定義に縛り付け、私の拳代わりに猛獣へと突進させる。

しかし、大きな瓜ほどもある街灯の頭が、獅子の胴体に届かない。

いずれも、その直前で蹄に踏み砕かれるか、熱波によって吹き飛ばされてしまう。

「火の、威力が……!」

予想以上の力に、わずか尻込みしてしまう。

しかしそれでも、草薙仁であるなら、逃げることはまかりならない。

決めているんだ。

私は、やり遂げると。己の定義に従い、それをなすと。

『罪』のあがないであると同時に、彼への、感謝、あるいは謝罪を示すために。

だから逃げられない。

たとえ、

「終わりだ!」

ついに躍り出てきたキマイラの爪が容赦なく、振り下ろされてこようとも。