† of Thousand~千の定義

魔法陣の形成を見過ごしたということは、この中で私が戦っても、ヤツは勝つ自信があるというのか?

それだけの自信を、キマイラは持っているのか?

あの日あの時、私の世界を崩落させた、三つ首のように。

「あんまり舐めるなよ! 周囲百メートルの街灯を『触手』と定義する!」

しかし私は、

「キマイラを『的』と定義、これを討て!!」

早々簡単に焼かれてやるつもりは、だから、ない!


魔法陣内、私が指定した範囲の街灯が、うねり出す。

まるで食虫植物の触手のように、壁を挟んだ向こう、キマイラへと鋼鉄のボディーブローをほとばしらせる。

「ぬぅ!」

火炎放射をやめたのか、轟音に赤くなっていた壁が、急激に白んだ。

キマイラの咆哮で宙へ押し上げられていた雨が、一気に降り戻る。

その瞬間に、私は壁の脇から飛び出した。

ヤツが、たかだかしなる鉄棒に、やられるものか。