まるで狂った牛のように、キマイラが角を突き出してくる。
反撃はできない。しかし、かろうじて体を反らした。
角は私の脇腹を掠め、シャツと皮膚をわずかに裂いて通過する。
「このっ!」
身を反転させた勢いで唐竹に刃を振り下ろすが、切っ先はキマイラの尾にすら届かなかった。
ばしゃんという水音と、がつつ、と蹄がアスファルトを蹴った音だけが、残される。
再び、目標を失った。ちっ。白い世界で、今度こそ舌打ちをする。
雨のせいで、傷口が乾くことはないだろう。
かすり傷程度だが、運動すれば過剰に出血する。それも度を超せば致命傷だ。
「我は不思議だ、魔術師よ」
ばしゃしゃん。
剣を構え直した私に、水音と、キマイラの声だけが届く。
「昨夜、我が力を貴様はなにもできなんだ。しかし、今また我が前に立ちはだかる。勝利の見込みなど、ありはしない。なにゆえ、我が前に現れた?」
反撃はできない。しかし、かろうじて体を反らした。
角は私の脇腹を掠め、シャツと皮膚をわずかに裂いて通過する。
「このっ!」
身を反転させた勢いで唐竹に刃を振り下ろすが、切っ先はキマイラの尾にすら届かなかった。
ばしゃんという水音と、がつつ、と蹄がアスファルトを蹴った音だけが、残される。
再び、目標を失った。ちっ。白い世界で、今度こそ舌打ちをする。
雨のせいで、傷口が乾くことはないだろう。
かすり傷程度だが、運動すれば過剰に出血する。それも度を超せば致命傷だ。
「我は不思議だ、魔術師よ」
ばしゃしゃん。
剣を構え直した私に、水音と、キマイラの声だけが届く。
「昨夜、我が力を貴様はなにもできなんだ。しかし、今また我が前に立ちはだかる。勝利の見込みなど、ありはしない。なにゆえ、我が前に現れた?」

