† of Thousand~千の定義

豪雨だと言われていたが、思いのほか雫はしとしとと、静かに降り始めた。

もっとも、雨粒は小さくない。

そのうちこれが、天上世界からバケツをひっくり返したような勢いになるのだろう。

大昔、ある詩人が定義した。

『星』とは、雨が降る穴であると。

今の科学で、そんなものはまったくの間違いだとわかるが……素敵じゃないか。雨の降る穴。

視界を灰色に霞ませるほどの雫のカーテンは、『星』から降ってきている。

そう思えるほど、昔は星空が美しかったという証明だ。

もっとも梅雨に入ってから、それに匹敵しないにしても、星空を見ていない。

そのうち、長沢と天体観測でもできるかと思っていたが……無理だ。

せっかく天文サークルに入っても、無意味だったかと苦笑する。

傘を差しているものの、心と頬が濡れるのは、仕方なかった。

こんな私も、1パーセントは乙女なのだから。