降り注ぐ雨粒ごときで、キマイラのたてがみがジュウジュウと削られている。
文字通り命の火が消えようとしてるだろうくせに、まったくもって魔族の誇りとは恐ろしい。
未だ熱を放つ体で、路面を覆う薄い水面を蒸発させながら、私へと一歩一歩、着実に近づいてくる。
「大した、根性だよ」
「我が、敗、れ――は、……あり、えん、こと……だ」
ぶすぶすと口腔に猛火を溜め込みながら、ばしゃりと、私から少し離れたところで、キマイラは止まった。
数十センチ先で、偽りない悪魔の眼が、憎悪に爛と輝いている。
私の顔面と、獣の牙、そして炎との距離は、腕一本分あるか……。
「私を、最後に道連れにするか?」
「あり、え……っ、……こ――だ……」
「……」
しかし、ないのは距離ばかりではなく、キマイラの精神も同様のようだった。
光っている眼には、憎悪がある。
逆に言えば、それだけしかない。
つまり、私を焼いた瞬間に、この獣は死ぬ。
文字通り命の火が消えようとしてるだろうくせに、まったくもって魔族の誇りとは恐ろしい。
未だ熱を放つ体で、路面を覆う薄い水面を蒸発させながら、私へと一歩一歩、着実に近づいてくる。
「大した、根性だよ」
「我が、敗、れ――は、……あり、えん、こと……だ」
ぶすぶすと口腔に猛火を溜め込みながら、ばしゃりと、私から少し離れたところで、キマイラは止まった。
数十センチ先で、偽りない悪魔の眼が、憎悪に爛と輝いている。
私の顔面と、獣の牙、そして炎との距離は、腕一本分あるか……。
「私を、最後に道連れにするか?」
「あり、え……っ、……こ――だ……」
「……」
しかし、ないのは距離ばかりではなく、キマイラの精神も同様のようだった。
光っている眼には、憎悪がある。
逆に言えば、それだけしかない。
つまり、私を焼いた瞬間に、この獣は死ぬ。

