小泉は瞬時に意識を放火事件に戻す。
自分には仕事がある。
今はうららに構っていられなかった。
小泉は鋭い目で5階を睨みながら、早口で言った。
「杉村警部、すみませんが今は、連続放火犯を追っている最中なので…
現場におにぎり屋が現れるようなら、保護しておきます」
杉村を残し、小泉はビルの中に駆け込んだ。
階段を三段飛ばしで駆け上がり、5階へ急ぐ。
5階の廊下に足を入れて、すぐに遅かったと気付いた。
ガールズバー“club JJ”のガラス扉は一部が割れ、カギが開けられ、大きく開いていた。
数分前にここを確認した横山は、異常なしと報告したが、
五十嵐はもっと早い時間にビルに侵入し、どこかに潜んでいたようだ。


