二瓶ビルの前には小泉だけが残った。
その時、背後から小泉を呼ぶ声がした。
振り返った小泉は、驚いた顔をした。
「杉村警部?
なぜ、すすきのに?」
紺色の制服姿の杉村は勤務中のようだが、
ここすすきのは、杉村の交番の担当エリア外だった。
ここにいる意味が分からない。
首を捻る小泉の前で、走ってきた杉村は呼吸を整えている。
それから聞いた。
「お前、捜査中か?
うららちゃんを見なかったか?」
「いえ、見ませんでしたが…
もしかして… パトカーが出ているのは、おにぎり屋の捜索ですか?」
杉村は疲れていた。
うららの捜索に数時間走り回っていたようで、額に汗が流れている。


