こういう場所の、大人が飲むオレンジジュースは、美味しくないとうららは思った。
15分かけて何とか飲み干し、お礼を言って帰ろうと立ち上がるが……
目の前の景色が、急に回転し始めた。
足に力が入らない。
驚いた顔で「大丈夫!?」と聞いたのは、
オレンジジュースを出した店員、ありさだ。
彼女の綺麗な顔もグニャリと歪み、うららは床に倒れてしまった。
うららの周りに店員が集まって来た。
露出の多い女性店員だけでなく、黒いベストに蝶ネクタイの男もいた。
彼はこの店の店長だ。
接客は女性店員にまかせ、彼は裏でドリンクを作るのが仕事だ。
店長はうららを抱き起こし、頬を軽く叩いた。
うららに反応はない。
はぁはぁと荒い呼吸で、意識はどこかに飛んでいた。
「この子、未成年じゃないのか?
ありさ、酒出したのお前か?」
店長に怖い顔で聞かれ、ありさは慌てて否定する。
「お酒じゃなくて、ジュースです
店長にオレンジジュースのオーダー、伝えたじゃないですか」
「ジュース?ばかやろう!
俺が作ったのは、カンパリオレンジだ!」


