横山の意見に答えず、小泉は黙って考えていた。
フラれた事に対する報復が、
働き場所を奪い、金銭的に困らせることなのだろうか?
あいつにとって、愛と金は同価値なのか?
金があり、いい暮らしをしている五十嵐は、幸せそうに見えなかった。
部屋は散らかり、身なりも汚く、生活が荒んでいるように見えた。
彼女が残して行った小物が、そのままに置いてあり、
ベッドにはハート型の枕が二つ…
口では悪く言っても、本当は未練タラタラなのではないだろうか…?
小泉はマンションの駐車場から車を出した。
2ブロック離れた先で車を止め、下りようとしている。
運転席のドアに手をかけ、小泉が言う。
「お前は五十嵐を張れ。
ここからは別行動だ」
「室長は?」
「俺は水島ありさの所在を探して身辺を探る。
車はお前が使っていい」
そう言い残すと、小泉は足早にその場を去った。


