小泉と横山は、マンションを出た。
車に乗り込むと、やっと喋れるとばかりに横山が話し出す。
「小泉室長!あれはトランシーバーなんかじゃないですよ!
盗聴用レシーバーじゃないですか!
きっと水島ありさの家に盗聴器を仕込んで、盗聴していると思います。
もう少し詰問した方が、良かったんじゃないですか?」
「駄目だ。あいつは金がある。
疑われていると気付いて、海外に飛ばれたら困るだろ」
横山はニヤリと笑う。
その返答に、小泉が五十嵐を疑っていると知る。
横山は助手席のシートベルトを締めながら、楽しそうに聞く。
「教えて下さい。室長は彼が連続放火犯だと思うのですか?」
「今の時点では、容疑者の一人だ。
水島ありさ…別れた女のバイト先を燃やす…
その理由が分かれば、解決に近付くのだが…」
「五十嵐は“金に困ればいい”と言ってたじゃないですか。
フラれた恨みで、仕返しですよ、きっと」


