水島ありさは、何らかの形で放火事件に関わっている。
小泉はそう考えていた。
どんな形で関わっているかについては、本人に直接会って探ろうと思っていた。
車は豊平川沿いを走り、
橋を渡り、12号線を東に下っていた。
今日は日曜日だ。
道路は比較的空いていて、本庁から30分で目的地についた。
二人は車から下りる。
目の前には、立派な高層マンションがそびえ立っていた。
横山が見上げて言う。
「ハイグレード、家賃が高そうですね。
水島ありさは、バイト生活なんですよね?
何故こんな高そうな…あ、親元ですか?」
「いや、実家は厚別区にある。
何かおかしいな…」
小泉はマンションのエントランスに足を踏み入れる。
オートロックの扉が行く手を塞いでいた。
部屋番号を入力し、呼出しボタンを押す。
「はい…」
応答に出たのは男の声。
もう昼過ぎだというのに、今まで寝ていたような声だ。
小泉は警察だと名乗ってから聞いた。
「水島ありささんは、ご在宅でしょうか?」
「いえ…居ません」
「あなたは同居の方ですか?
聞きたいことがあります」
数秒の沈黙の後、男は「どうぞ」と扉のロックを解除した。


