小泉と横山は、一課の刑事達の間を縫うように進み、
刑事一筋35年の捜査一課の長、
小山内の前に立った。
小泉は臆せずに言った。
「すすきの飲食店連続放火事件の犯人は、村坂俊則ではありません」
その言葉に、小山内が小泉を一睨みする。
賑やかだった一課の刑事達も、一斉に黙り込む。
厳つい顔、精鋭ぞろいの一課の刑事達。
彼らの刺すような視線が、小泉に集まっていた。
迫力ある視線に、横山は背に冷汗が流れるのを感じたが、小泉は全く動じない。
一課の長、小山内の机の上にノートパソコンを開き、
村坂ではないと思う根拠を淡々と説明した。
「これが、火災が起きたビルの防犯カメラに写っていた、放火犯と思われる人物です」
小泉が画面に写る黒のパーカーの男を指差すと、小山内にジロリと睨まれる。
その画像を入手したのは、捜査一課だ。
小泉はそれを借りただけ。
犯人はこいつだろうと、分析したのも捜査一課。
SMRが何を偉そうに説明する気だと、目で言われていた。
それを無視して、小泉が画像を切り替える。
今度は取調室で撮影した村坂の映像だ。
彼は言われるままに、室内を左右に歩いたり走ったりしている。


