うららが半ベソになった時、取調室のドアがノックなしにガチャリと開いた。
入って来たのは、紺色の制服を着た警察官、杉村だった。
うららは立ち上がり、
「おっちゃん!」と駆け寄って行く。
「うららちゃん、迎えに来たぞ」
そう言って、杉村はうららを抱きしめ、頭を撫でた。
「あなたは… 一課の鬼…
い、いや…元捜査一課の杉村警部」
取り調べていた刑事は、
杉村を知っているようだ。
表情には驚きと、怯えが混ざっている。
杉村はかつては刑事の花形、捜査一課に所属していた。
それはSMRを立ち上げる前の話しだ。
どんな難事件も必ず解決に導く優秀な刑事であると同時に、皆に恐れられていた。
自分にも仲間にも、容疑者には特に厳しく、
杉村が叩けば、必ず自供が取れると言われていた。
今はすっかりニコニコ笑顔の街のお巡りさんだが、
昔の杉村を知っている刑事達は、“一課の鬼”と呼ばれていた杉村を、今でも恐れていた。


