うららの脳裏には、テレビで見た湯傘の顔が浮かんでいた。
肉付きが良く、腹は出て、目が細い。
白髪混じりの髪の毛も髭も長く、縮れていた。
その男が、自分の腹を内側から切り裂き、這い出てくる様子を想像してしまった。
狂喜する、信者達の叫び声…
怪しく揺れるランプに照らされた、三つ目の神…
干からびた指で、お腹に触ってくる痩せた女…
うららの恐怖はピークに達していた。
足が震え、立っていられなくなる。
崩れ落ちそうになったところを、男二人に支えられた。
丸山が言う。
「アバタリ様はお疲れのご様子、一度退席なさいます。
明朝の儀式まで、各々部屋にて控えているように」
両脇を男二人に抱えられ、うららは引きずられるように出口に向かう。
背後では、信者達が口々に喜びの雄叫びを上げていた。
「アバタリ様、万歳!!」
「マハーカラ様、万歳!!」
「破壊の光、万歳!!」
密かに地中に根を張っていた教団は、
芽を出し、地上に枝葉を伸ばそうとしていた。
アバタリ奪還に信者達が沸いていた時、
杉村は… 自身の目的のため、建物内部を動き回っていた。


