丸山陽子が声高らかに、語り始めた。
「ついに聖女アバタリ様が、悪しき世界を抜け出し、お戻りになられました。
お可哀相に…今までどれ程の苦しみを味わったことでしょう。
憎き輩により、記憶も奪われております。
なんと悲しきことでしょうか!」
信者達が、ザワザワ騒ぎ出す。
怒りを口にする者や、嗚咽を漏らし、泣いている者もいた。
「静粛に」
丸山の横で、男が低く諌める。
室内は再び静まり返った。
丸山は続けた。
「清徒達よ、案ずるな。
アバタリ様は、いずれ本来のお姿に戻られる。
そして… 我らに希望を与えて下さるでしょう。
悪しき輩に殺されてしまった我らの教祖…
マハーカラ様は、神託を残されました」


