気付いたことは、杉村に関してだけではない。
アバタリと呼ばれ、ここが本当の家だと言われた。
その言葉が、気を失う前に見ていた、報道番組と結びつく。
破壊の光…
爆弾テロ事件…
教祖湯傘の娘、アバタリ…
10年前の爆弾テロ事件を起こした、カルト宗教団体“破壊の光”
そこが本来の自分の家で、自分は死刑になった男の娘なのだと、
悟らないわけに行かなかった。
うららの目から涙が溢れた。
恐ろしい出自を知った衝撃と、
これから何をされるのだろうと思う恐怖。
そして、自分を梢の下に帰してくれる人はいないのだという絶望感。
杉村はスタスタ歩いて、どこかへ消えてしまった。
うららは打ちひしがれる。
抵抗する力を無くし、
ただ泣きながら白服の男に抱えられ、廊下を奥へと進んで行った。


