知本が聞く。
「小泉警部、これは一体どういうことですか?」
杉村がうららを連れて、車を乗り換えたのではなかった。
それを確認して、小泉は言った。
「知本、上に飛ばしてくれ」
知本は両手の指を組み、
手の平を上に向けて、体の前で構えをとった。
その手の平に、小泉は片足を掛ける。
知本の上に飛ばす力と己のジャンプ力で、
小泉はいともたやすく、荷台の屋根に飛び乗った。
トラック運転手は驚いていた。
今まで止められたことに不機嫌だったが、
荷台の上まで調べられ、
やっと何かの事件が起きていると気付いた。
興味を持って見ている運転手と知本の前に、小泉は飛び降りてきた。
その手には、うららに付けたはずの桜のネックレスが握られていた。


