知本はライトをつけ、再びアクセルを踏んだ。
すぐに対象車に追いつく。
真っすぐ伸びる道の、200メートル先に車のバックライトが見えた。
それを見て、小泉は「しまった」と気付いた。
GPSが示している車は、貨物トラックだった。
付けていた白のカローラではない。
小泉は窓から身を乗り出し、覆面パトカーの屋根にサイレンを設置する。
音を鳴らさず、赤色灯を光らせ、トラックの真後ろへ。
停車を促すと、すぐにトラックは路肩に寄せて停車した。
運転手は若い男性。
不機嫌そうに下りてきた。
「何の違反ですか?スピード出してないですよ。
冬道だし、60キロも出してないのに…」
もちろんスピード違反で止めた訳ではない。
知本が説明する。
「ちょっと事情がありまして、荷台開けてもらえますか?」
運転手はブツブツ文句を言いながらも、従ってくれた。
開けられた荷台の中は、冷凍魚の発泡スチロールで満杯だ。
人が隠れるスペースは無かった。


