念の為、うららにGPSを取り付け戻って来た小泉は、
今後どうやって教団のアジトを割り出すかを、メンバーと相談していた。
様々な意見が出される。
皆、急がねばならないという思いは同じだった。
そんな中、更に焦りを生む事態が起きた。
会議に参加しながら、キーボードをカタカタ言わせているのは芹沢だ。
彼はノートパソコンで、全局のテレビ番組を監視していた。
芹沢が大きな独り言を呟く。
「うわ〜 出ちゃったよ〜」
その声で、メンバーの一人が、余り使われていない対策室のテレビを付けた。
芹沢が教えたチャンネルに合わせると…
特別報道番組で、フリーライターと名乗る男が、アバタリの存在を暴露している真っ最中だった。
すりガラス越しに男が喋る。
『我の娘、アバタリ
娘の腹から、我 蘇らん
同士よ、蜂起せよ』
湯傘の予言めいた言葉と、煽るようなメッセージが公にされてしまった。
小泉がギリギリまで、SMRメンバーにさえ言わなかった秘密は、
もう機密事項ではなくなっていた。
警察組織だけでなく、一般市民も信者達も知る所となってしまった。


