SMR対策室には、全メンバー20人が顔を揃えていた。
いつもは広く感じるこの部屋も、全員が揃えば狭くなる。
彼らが帰らず残っているのは、桜庭うららについて話し合うためだった。
小泉は2時間前に、SMR全員に、湯傘の娘アバタリについて説明していた。
これは機密事項だ。
ハッキングで入手した情報を漏らすのには危険が伴う。
話した方も聞いた方も、リスクを背負う。
それでも話さない訳にいかなくなった。
それもこれも、湯傘の刑が執行されたせいだ。
処刑の一報が入ったのは、報道関係者よりかなり早い時間だった。
午後3時過ぎに入った知らせに、小泉は焦りを感じた。
密かに教団が活動しているのは明らかだ。
教祖死刑により、奴らはきっと動き出す。
時間に猶予はなくなった。
早目にアジトを見つけ出し、彼らを監視せねばならなくなったのだ。


