突然、部屋の明かりが消えた。
真っ暗で何も見えなくなる。
「こんな時に停電かね… 懐中電灯は…」
梢はうららを置いて、立ち上がる。
懐中電灯を探し、手探りで収納棚の方に歩き出した。
その直後、
「ゔっ…」
暗闇の中で、うららは梢の短い呻き声を聞いた。
続いて床にドサリと倒れる音もした。
部屋の中には、二人の他にも人間がいた。
紺色の制服姿の男…
それは、杉村だった。
杉村はブレーカーを落として明かりを消し、
梢の首の後ろを手刀で叩いて、気絶させたのだ。
「ばあちゃん?ばあちゃん!?」
異変に気付き、うららは駆け寄ろうとした。
その体は杉村に捕まえられる。
口に布が押し当てられ、クロロホルムを嗅がされた。
たちまち、うららは意識を失う。
杉村の瞳は冷えていた。
今の杉村は、うららの知っている優しいお巡りさんではなかった。
外は雪が降り続く。
杉村は、うららを抱えておにぎり屋を後にした。
―――――…


