そこへ、風呂から上がった梢が戻ってきた。
慌ててテレビを消し、うららに駆け寄る。
「ばあちゃん…アバタリって何?
頭痛いっ…頭痛いよっ…」
梢は一緒に畳に転がるようにして、うららを抱きしめた。
強く抱きしめながら、うららを優しく諭す。
「大丈夫だから、落ち着きなさい。
うららはうららだ。
あんたは私の娘、桜庭うららだ。
ばあちゃんが一緒にいる。
これから先も、ずっと一緒にいる。
誰にも渡すもんか」
アバタリとは何かと聞くうららの問いに、
梢の返事は噛み合っていない。
それでも、うららの頭痛は治まってきた。
枠から外れそうだったアイデンティティが、元の場所に収まった。
梢の娘だと言われ、ずっと一緒にいてくれると聞いて、安心する。
しかし…


